think002:省エネルギー住宅(建築)とは①

 経済産業省自然エネルギー庁より、家庭のエネルギー消費において、約30%を占めているのが暖冷房です。省エネ性能の高い住宅とは、この暖冷房のエネルギー消費を抑えることのできる住宅です。
 冬においては、室内の温かい空気が逃げないこと、夏においては、室外からの熱が室内に侵入しないことで、少ない暖冷房エネルギーで快適に過ごすことができるようになります。
 そのために重要なのが、冬に熱を逃がさない「断熱」と、夏に熱を侵入させない「日射遮蔽」です。
 省エネルギー住宅は、エネルギー消費を抑えるだけではありません。「断熱」と「日射遮蔽」により、冬は「部屋の中の暖かい空気が逃げず、部屋内や部屋間の室温がほぼ均一の家」「北側の風呂もトイレも寒くなく、結露もしない家」。
夏は「室外からの熱気が入らずに涼しい家」「小型のエアコンでも良く効き、朝・夕は風通しの良い家」が実現できます。
つまり、「省エネルギー住宅」=「快適な住宅」である。と定義されています。

出典 経済産業省自然エネルギー庁

think001で断熱が大切なことをお伝えたしましたが、快適な住宅には断熱が不可欠となり、TAWs DESIGNでは、一定の断熱性能確保を最重要事項の1つと設定しています。
次は、断熱の基準などを簡単にまとめてお伝えしていきます。

①断熱について:断熱等性能等級

住宅等の快適性等を向上させるために基本的な方法として、断熱性能の向上が挙げられます。
断熱性能のグレードを示す断熱等級(正式名称:断熱等性能等級)は、国土交通省が定めた「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」において設けられました。

出典 国土交通省

等級6や等級7に該当するHEAT20とは、一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会が定めた、住宅の断熱性能の評価基準です。省エネ性と快適性を高めた住宅を実現するための指標であり、国が定める省エネ基準よりも厳しい基準が設定されています。

断熱の基準は地域の気候に応じて「地域区分」として定められています。
寒い地域は断熱等級の基準が厳しく、暖かい地域は断熱等級の基準が緩く設定されています。

出典:一般社団法人 住宅・建築SDGs推進センター

ここで、世界ではどのような基準になっているか、日本の基準と合わせてお伝えします。

出典:HEAT20設計WGからの報告より,住宅全体で基準値が設定されていない国については、部位の基準値を用い一定の家庭において、国道交通省において試算

この表を見ると、北海道や東北などの寒冷地と沖縄を除いた、4〜7地域区分の基準は、世界基準と比較して断熱性能の基準が極めて低いことが分かります。

断熱性能は、UA値という数値をベースに断熱性能の基準を定めています。

外皮平均熱貫流率 UA値
外皮平均熱貫流率とは、住宅の断熱性能を示す指標で、通称、「UA値」と呼びます。
数値が小さいほど断熱性能が高く、熱が逃げにくい家であることを意味します。
住宅の省エネ性能や快適性を知る上で重要な指標となります。

出典:国土交通省

建物の性能は屋根・外壁・窓など単体の性能だけでは評価ができません。屋根・天井、外壁、床、窓など建物内部と外部を区別する面(外皮)全体で性能を評価します。

UA値について、「地域区分1:旭川、地域区分2:札幌」、「地域区分6:東京・大阪」にフォーカスしてみます。
先程記載した、世界的な基準(UA値0.46程度以下)と照らし合わせしてみると、東京・大阪あたりも北海道と同程度の断熱等級基準が必要であると思います。

出典:国土交通省

断熱性能の目指すべき基準
都市部の窓は防火仕様(網入りガラス)が必須となります。
防火仕様の窓は、非防火仕様の窓より断熱性能が劣るため、断熱等級7を達成するためには、窓面積を減らす必要があり、肝心の居住性を損なわれたり、費用面の負担も大きくなります。

そのため、TAWs DESIGNでは、計画全体のバランスを考慮しつつ、
達成すべき基準は、断熱等性能等級6以上。
可能であれば、断熱等性能等級7以上確保したい
と考えています。

ページのトップへ